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健全な組織とは? No.2
今月、大阪WATAの鈴木師範が、全日本協会から資格停止の処分を受けました。理由は、私と同じく段申請を勝手に全日本協会を通さなく行ったと云う理由でしたが、先月、私共は国技院を訪れ、嘆願書を提出しました。その嘆願者に対して、協会は「誰に云われて署名に応じたか詳細を報告書し、提出がなければ、賛同したとみなす」との通知が署名した各位に送られて来たそうです。
また、国技院、世界連盟を共に訪れた福島の武田先生には、資格停止中に国技院、世界連盟の役員と接触した等、厳重に禁止するとの通知が送られて来ました。テコンドー人が、国技院に出向き、役員や知人に会うことを禁止する権限が全日本協会にあるのでしょうか、国技院は、テコンドー人は勿論、観光客も訪れ、誰でも遠慮なく訪れることが出来るテコンドーの聖地です。ましてや、昇段申請の件で、予てから私の資格停止処分への(弁明書・回答依頼)の返答もないままで、全日本協会と国技院で交わした協定書の事実関係を尋ねる事の何が悪いのか疑問に感じるところです。訪ねてもらったら困る事があるからではないでしょうか。
協定書が正しい契約の元で交わされ、その文書が双方に間違いのないキチンとした文書なのか、また、現在もその協定書は有効に執り行われているのかを、処分を受けたものが、知る権利はあると思います。
私共は、数年前の総会において、この問題を前執行部に質問しましたが、この問題は後日、報告致しますと述べたまま現在に至っても何の報告もありません。しかしながら、私が、その後に国技院への申請を行い段証が届いている事を考えますと国技院は、国際師範資格を有する者には、申請を受けるのが当然の事でありとの認識から、段証を送ってきたと察します。協定書自体の契約が、正しくキチンと取り交わされたものなのかを知る上で、今回、ある資料を入手、公開することに致しました。
協定書1は、平成18年10月24日付 国技院院長 オムウンギュ氏と何故か社団法人 全日本協会会長 金原昇氏のサイン入りの協定書ですが、当時、金原氏は専務理事でありました。
協定書2は、平成18年12月14日付 国技院院長 と 金原昇氏の協定書(ハングル)ですが、金原氏はやはり会長として記載されています。
協定書3は、同じ日付けの日本語訳です。全日本協会は当時の衛藤征士郎会長となっていますが、国技院院長のサインは無く、印鑑の押印のみです。
正会員には、協定書3が送られて来ましたし、文中、国技院所属の金天九師範と書かれていますが、国技院の所属ではないことは、関係者の証言からわかっています。このような、不透明な協定書を元に、現在も行われていますが、資格停止、除名処分を受けた者が、真実を知るために国技院を訪れる事さえ除名の理由になっています。
段申請だけでなく、平成22年第2回総会でのJOCコーチ謝金問題について、当時の議事録に、「風説の流布でありそのような事はないと全面的に否定します」とはっきり金原会長自らが述べていますが、現実には、他競技団体まで巻き込んだ大きな問題となりました。
第2回の総会議事録と翌年の第1回総会で武田先生が再度、質問した事について答弁した金原会長との議事録を添付いたしました。
健全な組織とは、透明性のある組織であり、中央が何でも思い通りに加盟団体を仕切るものではありません。中央は、各都道府県協会の普及活動が原点であり、優秀な選手は、小さい頃から、町道場に通いテコンドーを好きになり、国際舞台を夢見て頑張っています。中央はその受け皿として、各地域のテコンドーを応援し、普及活動の促進が図れる様な環境を整え、国内の1競技団体として、国民的シンボルである国体参加、高校総体参加への努力を推進し、加盟団体には、各地域の体育協会への加盟をより積極的に行う様、様々なアドバイスを行う事がその役割だと思います。
現在、県体育協会に加盟しているのは、福島県、新潟県、奈良県、高知県、熊本県と記憶していますが、その3県の正会員が、除名や資格停止処分を受ける始末です。都道府県体育協会への加盟は、テコンドーを一つのアマチュア団体として、県が認めた組織です。柔道や野球など様々な競技団体との親睦、交流を通じてテコンドー競技への理解を深め、互いのスポーツに関心を持ちながら各地域でのスポーツ振興を共に推進する大きな役割があります。オリンピックのみが、テコンドーではなく、本当の市民権を得るために地域での地道な努力が必要です。
今月、第19回熊本県学生選手権大会が開催されます。今年で19回を迎える伝統の大会ですし、熊本市内の5大学総体の競技としても実施されています。大学生自らが、運営し、選手としてスタッフとして大会を盛り上げます。県協会の誇りは、各都道府県単位では、19年に及び、大学生大会が継続して行われている事です。来年で20回となりますが、回数はその競技の歴史でもあります。
私が、数年前から全日本選手権大会の回数の問題を提示しましたが、大きな動きはなく、残念なところです。組織の健全化なくして、テコンドー競技の未来はありません。