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体罰問題について考える No.3
先週、JOCからの体罰等について2月7日、8日の2日間にわたり、JOCの加盟団体に聞き込み調査が実施され、柔道以外に2競技団体に体罰があったとマスコミ等で報道されましたが、実施したJOCの調査方法には、疑問の残るところです。
本来は指導者(監督・コーチ)等では不十分であり、各団体の強化選手等に幅広く調査を実施しなければ、真の実態は把握出来ないと考えます。
各団体も多かれ少なかれ隠ぺい体質はあると推測されます。ただ、体罰を隠ぺいする以外に権力の横暴(パワーハラスメント)がまかり通っているのが現状です。組織は、権力を持ちますが、その権力が一部の人や役員などに都合の良い武器となり、様々なところで発揮されます。例えば、選手については大会出場等の選考の場に於いて、圧力をかけたり、また、各地方の競技団体には、様々な締め付けを行いそれに従わない場合は懲罰と言う制裁を実行します。一部の協会関係者に都合のいい事がまかり通り、健全で透明性のある組織には到底ほど遠いものです。
中央団体の役割は、一体何でしょうか、各競技の普及、発展を推進し、その競技が国民の誰からも支持される競技となることが、目指す方向性であると思います。
先日、4大陸フィギアー大会で日本選手の活躍が光りました、人気の浅田真央さんが金メダル、2位、3位も日本選手が独占しました。このような素晴らしい成績を収める事が、出来るのは、本人の努力は勿論、それをサポートする環境が整っていることが、条件となります。強化のやり方も選手に沿った方法で行われ、協会もスポンサーの支援を受けて選手の負担の軽減に努めていると思います。
残念ながら、私どもの協会は、JOCの謝金の返還問題をはじめ、現執行部の運営能力に疑問視する声も多く、公益社団法人として健全な組織なのかいささか疑問に感じるのは、私だけでしょうか?
先日、熊本県協会の常任理事会で、熊本県協会のビジョンと方向性を再度確認しました。熊本県協会は、テコンドーを通じての「人づくり」を第一と考え、教育的価値のある、社会に貢献できる武道テコンドーを目指して今後も、役員一丸となり進もうと再確認いたしました。
まだまだ、道半ばで多少の問題点もあるかと思いますが、ここ数年、スポーツ選手や競技団体の不祥事、いじめ、体罰などが問題となる中、スポーツや武道をする原点を組織、指導者は再度見直し、勝利至上主義に警鐘を鳴らしながら、青少年の健全育成に力を注ぎ競技スポーツ、生涯スポーツとしてテコンドーを更に普及していくことを改めて確認しました。
12日、スイスで2020年以降の五輪種目が再検討されるIOCでの会議が開催されますが、テコンドーと近代五種の何れかが除外される可能性が大きいと報道されています。どうなるかはわかりませんが、何れにしてもテコンドー界、注目すべき事に違いありません。