熊本県テコンドー協会

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回想 〜くまもとのテコンドー〜

  • 熊本県テコンドー協会
  • 会長 樋口 悦夫

体罰問題について考える No.2

女子柔道の15名が、先日、園田監督のみが責任を取るのでは、この問題の解決にはならないと改めて、弁護士を通じて記者会見を行いました。全日本柔道連盟への体質への不満が根底にあったと推測されます。

全日本テコンドー協会でも組織の体質の件は、ある意味、柔道連盟よりもひどい状況と言えます。組織としての体をなしていない現実があります。他人事ではないと考えます。

私は昨年、1年間の正会員の資格停止処分を受けました。福島県の武田正博理事長も同じく資格停止処分となりました。

それは、昨年1月に、全日本テコンドー協会は、JOCからのコーチへの謝金が不正に扱われていると大きく新聞等で報道されました。その後、他の競技団体へも同様の件が発覚しましたが、テコンドー協会は、会長自身がコーチからその謝金の半分以上を現金で徴収していたため、特別の調査委員会が設置されました。

私と武田先生を初めとする、数名でこの件について、2年前の総会時に追及しましたが「風雪の流布」として「そのような事は一切ありません」と、この問題を隠ぺい、虚偽の報告を行いました。
私共は、全日本協会の現執行部に対して、これまでに、様々な意見を出しながら、テコンドー協会の発展、風とおしの良い組織を願い、行動して参りました。例を挙げれば、

@ 全日本選手権大会の回数の是正
1981年に前身の全国統括組織、「日本テコンドー協会」が第1回全日本大会を開催、回数を継続すれば今年で30回にはなっているが、全日本協会になってから振出に戻り現在今年の大会が6回となる。テコンドーの歴史を鑑みると不本意。
A 選手選考の透明性
最近の大会では、国際大会等への選手選考を選考評価会としてその大会で勝っても代表に選ばれるかはわからない。また、その選考評価会にも出場していない選手が代表に選ばれる。ロンドン五輪予選の女子国内選考会は、行われていない。協会役員の所属の選手は何故か優遇される。
B 強化合宿の見直し
強化合宿も年数回、実施されるが、パワハラ的な事が行われ、選手の精神状態も不安定に陥る。
C 偽のパンフレット事件
毎年、長野県で開催される全日本ジュニア選手権大会第1回から第3回までの広告協賛について、広告集だけのパンフレットが、役員、選手の知らないところで発覚、いくら会長のお膝元と云えど詐欺まがいの事、未だ各県協会への謝罪、釈明は行われていない。この問題を追及した正会員に対して脅しの電話を掛ける等、もはやアマチュアスポーツ団体の長として不適格

以上、列記した以外にもまだまだ問題点は多く、私どもの意見が通ることなく、謝金の問題の真相解明を行う者は、処分を受ける現状なのです。

選手にとって風通しの良い組織、努力すれば実になる公平な組織を一日も早く取り戻さなくてはなりません。今回の柔道連盟の問題は、競技団体の体質改善を願う必至の声かもしれません。テコンドー協会もこの問題を真摯に受け止め、本当に選手のための組織へと改善してもらいたいと思うところです。

今回、テコンドー協会の内部について公表しましたが、多くの指導者に目先の利益に左右されずに正しいテコンドーを伝えて行くために一歩踏み出す勇気が必要と痛感したからです。

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